こどもの歯列矯正治療例
治療例は、患者さんおよび保護者の
同意を得て掲載しています。
16歳2か月の女子
軽度の前歯のガタガタをマウスピース型矯正装置(非抜歯)で治した症例
主訴 | 上下の前歯のガタガタが気になる、笑った時の歯ぐきの見た目が気になる。 |
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診断名 | 上下顎歯列叢生 |
治療に用いた装置 | マウスピース型矯正治療「インビザライン」 |
上下の前歯のガタガタと、笑ったときの歯ぐきの見た目を気にされていました。ガタガタの程度が強い場合や上下の前歯が前方に出ている場合は「抜歯矯正」になることがありますが、この患者さんはそこまでガタガタが強くなく、口元の突出感もないため、歯並びを広げて並べる「非抜歯矯正」を選択しました。治療法は「マウスピース型矯正治療(インビザライン)」を選択しました。マウスピース型矯正治療とは、個人用に作製された数十枚のマウスピースを1枚目から装着し、1週間に1枚ずつ新しいマウスピースに交換していくことで少しずつ歯を動かしていく方法です。この方法であれば人から矯正治療をしていることを気付かれにくく、装置を装着した違和感が少なくて済みます。また、食事時には装置を外せるのでごはんもおいしく食べることができます。また、通院の頻度は2か月に1度であり(通常の矯正治療は月に1回の受診が必要)、受診時の調整も短時間で済むというメリットがあります。この患者さんがマウスピース型矯正治療を選んだ理由としては、吹奏楽部に所属しており、口に押し付けるタイプの楽器を担当していたことと、どうしても装置を人に見られたくないとのことの2点でした。ご本人によると、装置を装着したときの違和感や痛みはほぼ無く、とても快適だったとのことです。治療開始した直後は一日22時間以上の装着を守らなければならないというのが少しプレッシャーだったそうですが、数週間で「装置をつけているのが当たり前で、付けていない方が逆に不安」に感じるようになったそうです。 1年2か月でガタガタは解消しました。上の前歯を上方へ引き上げるように動かしたため、笑ったときの歯ぐきの見え方も改善し、とても満足されています。
その後は後戻り防止のため、引き続きマウスピースを使用し続けています。
- 当院はできる限り「非抜歯」の治療を心がけており抜歯治療は最終手段と考えていますが、状況により抜歯矯正になることがあります。治療後の状態を予測し、どうしても抜歯が必要な場合は抜歯治療のメリット・デメリットをご説明いたします。最終的にはご本人やご両親のご希望を加味した上で判断いたします。
矯正に伴うリスクについて見る
- 矯正に伴うリスクについて
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重 要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと 隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がること があります。
ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
矯正装置を誤飲する可能性があります。
装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する 可能性があります。
装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物) などをやりなおす可能性があります。
あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えてい る骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる ことがあります。
矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。